柔道と柔術の違いについて

当ジム、ルミナスでは柔術クラスを提供しているのですが、柔道と間違える人はいまだに少なくありません。オリンピック競技であり、日本発祥のスポーツである柔道は圧倒的な知名度がありますが、まだまだ柔術は歴史が浅く、認知度が低いのは正直否めません。そんな柔術と柔道の違いについて述べていきます。

1 柔道は投げて終わり。柔術は投げてからがスタート
2 投げ技の攻防が少ないので安全性に優れている
3 運動神経に左右されない格闘技
4 柔道をしていた人は柔術をやるべき
5 まとめ

柔道は投げて終わり。柔術は投げてからがスタート

柔道は寝技の攻防もありますが、立ち技のみで決着がつくことも珍しくない競技です。投げた際に相手が背中からマットに着くと、その時点で1本負けとなり試合は終了します。

対して柔術は投げてもポイントが2点入るのみ。その後にはじまる寝技の展開で、相手から関節技や絞技でタップ（まいった）を奪わないと試合は終了となりません。そうです、柔術は寝技の攻防が主な展開となるのです。この点が柔術と柔道の決定的な大きな違いと言えるでしょう。

投げ技の攻防が少ないので安全性に優れている

前述したように柔術は寝技の攻防がメイン。そのため立ち技での展開は非常に少ないです。相手を投げる行為は、頭部をマットに叩きつけられる可能性があるので大きな事故につながる可能性があります。事実、学校教育や部活での柔道において大きな事故が発生している事例は少なくありません。

その点、柔術は大きな事故や怪我が発生する可能性は、柔道に比べてとても少ないのが特徴です。なので仕事に影響をきたすこともなく、楽しめるのがメリットとして挙げられます。

運動神経に左右されない格闘技

また柔術における寝技の攻防は才能に頼るのではなく、地道なトレーニングの積み重ねで習得が可能となります。もちろん、運動神経が良い人ほどおぼえが早く、上達は早いのがあたりまえですが、運動神経があまり良くない人でも練習の積み重ねで確実に強くなることはできます。

最初は全く技を覚えることができなくて、体力がなかった人でも、繰り返しクラスに参加をすることで無数の技を使いこなせるようになり、帯も昇格してきた人をたくさん見てきました。柔術は地味な積み重ねを繰り返した人ほど成長できる格闘技なのです。

柔道をしていた人は柔術をやるべき

学生時代に柔道をやっていたものの、その後は道着を一切着ることもなく運動から縁遠い生活をしている人はたくさんいます。非常にもったいないです、今すぐ柔術をはじめましょう。

先ほど述べたように、柔術は寝技の攻防がメインなので、立ち技が全くできない人がとても多いです。そのため柔道で身についた立ち技のスキルを思う存分に発揮できます。確実に投げで2点を取れるスキルが柔術をはじめた時点で有しているのは大きなアドバンテージなのです。

また、柔道において抑え込みなどの寝技のテクニックもすでに身についている人がほとんどです。柔道をやっていた人は、そこで学んだスキルを柔術に活かして活躍ができます。最初から大会などで活躍できる可能性があるので、やらないと損です。

【2023年10月追記】

こちらの記事を読んで、ありがたいことに多数の柔道経験者の方が柔術に興味を持っていただきました。実際、寝技のトレーニングに柔術を学びたいとの声もいただいておりますし、ルミナスに足を運んで頂いた柔道家の方もいらっしゃいます。

その際に柔術のパーソナルトレーニングを始めて欲しいとの要望がありましたので、柔道家の寝技技術向上のための柔術パーソナルを始めました。柔術歴20年、全日本マスター優勝の実績を誇るルミナス代表下林が寝技の細かいテクニックを伝授させていただきます。

クラスを開催していない時間帯でご希望の日時に合わせてパーソナルトレーニングを行います。参加をされたい方はお気軽にお問合せフォームからご連絡くださいませ。

料金:10,000円/1h

お問合せはこちらから

まとめ

柔道と違って柔術はまだ日本に上陸して30年も経っていない新興格闘技です。まだまだ知られていない格闘技ですが、ジムの数や柔術愛好者は右肩上がりで増加をしています。芸能人や著名人の中でも、柔術をこっそり満喫している人までいらっしゃいます。

なぜそのように愛好者が増えているのか？シンプルにこれほどおもしろい格闘技はないからです。これを書いている私も20年柔術をやっていますが、いまだに飽きることなく日々の柔術ライフを楽しんでいます。

この柔術という格闘技をぜひ多くの人に触れていただきたいと強く思います。あなたのお住まいの近くに柔術ジムがあるのならば、ぜひ見学にだけでも足を運んでみてください。もし、あなたのお住まいの近所にルミナスがあればお越しください。柔術とても楽しいですよ。

余談ですが、ちなみに私が言っている柔術というのは、ブラジルから渡ってきたブラジリアン柔術を指します。ブラジリアン柔術はもともと日本人の前田光世という人がグレイシー一族に教えた柔術がベースになっています。柔術はもともと武士の近接先頭術であり、戦後スポーツ化される上で立ち技・投げ技主体の現代の柔道になったのです。そしてその何十年後かに寝技もスポーツ化したのが今日の柔術というわけです。（かなりおおざっぱな説明ですが）